初めまして、劇団ピンクノイズの猪瀬那奈です。

さっそくですが、先日帰り道を歩いていたときのこと。

駅から家までの距離、歩いておよそ1時間。バスだと15分のその距離を、あえて歩くのが私は好きだ。
風が冷たく吹く道をマフラーに顔を埋めながら歩いていると、ふわふわ何かが漂ってきた。シャボン玉だ。懐かしく思い、どこから飛んできたのかあたりを見回すと、空き地に女の子がいた。
虹色のシャボン玉が風に乗り、私の前まで飛んできたかと思うとぱちん、と割れる。どこか切なさを覚える私とは反対に、女の子は楽しそうに何度もストローに息を吹きかけていた。
今の子どもたちは外で遊ばなくなった、という話を最近よく耳にするが、そんなことはないと思う。昔と変わらない今はたしかに存在している。ただ私たちが毎日を急ぎすぎて、見逃しているだけなのだ。
駅から家まで、歩いて1時間。次は何を見つけられるだろうか。

駅から家までの帰り道に感じたこと、不定期ですが思ったことを書き綴っていきたいと思います。